どうも、農民でございます。
今年もやってまいりました2009、農民にとってもっとも大事な収穫祭、稲刈りをシルバーウイークなる名前がいつの間にかついちゃった連休中に執り行っておりました。
今年も無駄に誰得な農民戦争秋の陣について書いてみるわけです。
今年は日照時間も短けりゃ我が住処である山岳地帯などめっちゃ夏寒かったもんだから出来とかすんげー気にしてたんよ。
9月になってからの盛り返し残暑である程度回復したっぽくてよかった。
そんなわけで以下農業話。
9/20 早朝 開戦
まず初っ端から困ったことになったわけよ。
いつも我が一族総出+ツレで稲刈りするんだけど、今回脱落者が多くてなァ。
●脱落者一覧
・母(仕事)
・祖母(お出かけ)
なんというか、女軍団一気に抜けちゃったわけです。
しかもこの二人パワー半端無いのでそれだけで超戦力ダウン。
そこで抜擢されたのが山越えたところにすんどる叔父。
だがしかし彼は農業経験は皆無というギミック発動。
意気揚々とスーツ姿で参上した叔父を、貴様直ちにそれを脱いでツナギを着れと追いはぎよろしく服を剥ぎ取って田んぼに連れ出した。
そんな感じで今回の農民戦争秋の陣を戦い抜く、「農業戦隊コンバイン」の面子というと。
●農業戦隊コンバイン一覧
・大将 大門父(代理絵警部)
・稲刈機特攻隊 ツレ(代理絵ルパンさん)
・出向稲干し部隊 叔父(代理絵ワイリー様)
・足軽一般兵 オブサワ(代理絵 機械男爵)
今回4人しか戦える人間がいないという現実。うっあーーまじかよ!!
どうでも良いが、代理絵を上記で行ったところうっかり私が愛してやまなかったフェイバリット番組「銭金」ッぽくなって吹いた。しかも違和感無くてやっぱり吹いた。
ここで恒例、稲刈りの手順をご案内。
まず、田んぼのあぜ道に沿ったレーンに稲刈機を入れ、人が歩ける程度の道を作るために刈り込んでいきます。
その後、稲刈機から吐き出される、刈りたての稲を紐でまとめた稲束をやぐらを組んで長い棒を通して作る、「はぜ(稲用物干し台)」に洗濯物よろしくかけていくわけです。この作業を「はぜかけ」という。はぜかけは基本的に2重に干す。
工程はいたってシンプルなんだけど、しかしその一つ一つがなかなかどうして時間かかる。
まず、稲刈機つかって稲どもの首をばっさばっさと刈り取ってしまわないといけないわけです。
まあそこは、さっきからやりたいやりたい騒いでいる車狂のツレに任せておく。
さっそく爆音とともに田んぼを疾走していったわい。あれはほっといても大丈夫だ。
すっかり姿が豆粒になったツレを横目に、大門が今年の稲刈り大作戦について語りだす。
大門「5分の3、いくぞ」
オブ「え゛え゛え゛ーーー」
つまり今年は田んぼ全体の3/5の面積を人力で刈り取るということだ。
いつもは半分かそれ以下なんだよね、作業量が爆増必須に思わず羽虫遺憾の意。
だってさーー米残るじゃん!
家の倉庫みろや去年の米はおろか、おととし、さらに前の米だってあったはずじゃないかと。
そして普通におととしの米食ってます、あれ精米機かけないと本気で長持ちする。
皆米を長く取っておくならもみのままがお勧めだ。
だもんだから今年、それこそ田んぼの3/5の米なんかむこう2年は余裕で持つと違うかって思った。でもちょっと不安もあったんだよなあ。
やっぱ今年の日照時間が激減してたこと。
もしかしたらもみの中空なやつ多いんじゃないか?それだけはどうにも気になった。
大昔タイ米が入ってきたときのような冷夏級不作だったら、うん、そりゃ3/5刈り取っても1年分の米にならんかもしれない。
それはいかん、米の無い生活なんて2009。
そんなわけで今年はいつもより作業工程倍増の3/5、稲どもの首を刈るべく我々農業戦士は田んぼに解き放たれた。
ついでにそのころには爆走して行ったツレの働きにより稲どもはすでに虫の息だった。
稲刈機で刈り取れなかった稲を鎌でばっさばっさ切り殺していく我々。
…と思ったら大門はツレとなんか仲良く稲刈機いじって男の子のロマンしてるし、叔父ははぜの足であるやぐらを組もうとして崩壊させてるし、大丈夫か農業戦士コンバイン。
そんな感じで作業は地味に進み、やぐらを2レーンたて、後は稲束を干していく作業となった。
コレがね、ひったすら強制スクワットで死ぬわけです。
稲束を抱えるためにかがみ、干すために立ち上がる ×数百回
うち腿の筋肉が即効ぶるぶるしてくる。
何でこんなとこ痛いんじゃあって勢いで痛い。
だがしかし稲は待っちゃくれないのです。さあさあかけろ、俺を!はぜにとばかりに詰まれまくっているし。
ルーチン作業過ぎて早速飽きた。
なのでここらで一発休憩にする。
水置き場に皆集結し、そこでポカリとかあおりながらしばらく魂を飛ばす。
だがここで奇跡が起こる。
なんでか投下されたアンパンという武器が、我々戦士たちの体に火をつけた(気がする)
糖分とったから元気でたんじゃね?と思うんだけど後半の作業はなんか、1.5倍速にしたみたいに皆早かった。
ものすごい勢いではぜに稲束をぶん掛けていくわけです。
親の敵のように掛け捲れ俺!うなれマイソウルハート!
そんな感じで、9時半から始まった秋の陣、予定では午後2時ごろまでかかると思ってたのにもかかわらず正午ちょっとすぎくらいに片付いた!
おおおおやれば出来る子!自分を自分でほめてやりたい!羽虫一人エイドリアーン!
しかし内股いてえええ。これは連休が終わった現在も地味に苦しめている。
歩くたびになんかの拷問ですよチクショー、まるでオカマ走りみたいな走り方しかできないよ。
だが最後の点検が待っている。
今年いつもより1レーン分多く稲刈ったのね。
そうするとアレの危機感が強まるわけです。
いつもより大量にかけられたはぜ、こいつが稲どもの重さに耐え切れずに万一崩壊してしまったら、ああああ!!
…思い出される4年前の秋の話。
ヤッター!終わった!とはぜかけ終了に雄たけび上げるオブサワ一族に悲劇到来。
はぜの物干しになってる部分の太い木材がね、なんか知らんがボッキリ折れてなあ。
ええ、はぜ倒壊ですよ、欠陥住宅も真っ青の崩壊振りですよ、そしてその場に轟音とともに落ちていく稲束の山。
あれは本気で絶望的だった。
え、何これもう一度はぜかけなおすの?この量を?と呆然となった。
当然かけなおしましたですよ、もう筋肉痛とか通り越して腕が持ち上がらなくなったもんなあアレ。
そんな苦い経験からはぜには特に気を使っていんるだが、何しろ今回はぜのやぐら触ってた者の中に農業初体験という、小学生の体験実習以下の経験値で参戦した叔父の姿がある。
危険だ、実に危険だ。
だがしかし叔父は農業以外ではある意味プロフェッショナルだったらしい。
やぐらの足はなんか見たことの無い縛り方でまとめられ、ビクともしなかったわけです。
おおお、やるじゃねえか!と拍手喝采、さっき崩してたやぐらのことは脳裏から吹っ飛んでた。
そんな感じではぜもまあ大丈夫だろう、後は稲刈り機と一輪車を片付けて一刻も早く風呂だ風呂!
なぜならば現在我々の皮膚という皮膚には細かい稲の繊維が刺さりまくっておる。
うっかり顔をこすろうものなら「ギャヒィィィィ」と悲鳴を上げてのたうつこと必須。
なので速やかに風呂に移動し、この脅威を取り去らなければならないのだ!
いけ!コンバイン!戦え!コンバイン!いつか新米を食らうその日まで!
そんな死亡遊戯と隣り合わせの秋の陣。
この後2週間後に我々農業戦隊コンバインは再び戦いの地に立つ
…そう、奴らと決着をつけるために…
次号、「農民戦争2009 新米は、そこに 〜脱穀〜」
乞うご期待!(何を)
そんなわけで、はぜかけ後の稲をぱちり。
このまま天日で干すこと2週間、次は脱穀という稲作最大のイベントが待っております。
これを経てやっと米が食えるのだ。
あ、ところで3/5刈ったあと、残された2/5の稲は脱穀の後もそこに生えているわけです。
というのも、後日爆音を立てて農協の最終兵器であるコンバイン様がご到着し、まるっと稲を刈り取ってもってくのね。
自分ちで食べない分は農協に売っちゃうそんな感じです。
しかし普通に車道をかけぬけるコンバインって、合体ロボっぽくてかっちょいいのです。
そもそもコンバインって名前が合体ロボっぽくねえ?「起動戦士コンバイン」とかあんまり違和感ない。
そんな感じで今年も米を刈りました。コレが終わると我が脳内とさっさと冬になっちまうわけです。
実際そろそろ寒くなってきたよな。夏、えっらい短かった気がするよ!
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後ほど拍手お返事に上ってきますです!
しかしすげえ時間になってることに今気づいたこの夜行生物ったら。