数度瞬きをした視界は瞬間朱に染まり、目の前が揺らいでいた。

頬に冷たい感触が伝わる。
呆けた思考では定かではないが、どこか倉庫のような場所に寝かされているらしかった。
立ち上がるべく状態を起こそうとすれば、体の自由が利かない。
試しに手を動かせば、ぎちぎちと固い音がした。
ロープか何かで、両手首を固定されているらしい。
ならば足を、と思えば、そちらもほぼ同様だった。

額から伝わった鮮血が床板に落ち、ようやく意識が覚醒してくる。
鮮明さを覚えてきた視界のすぐ目の前に、自分の血が泉をつくっていた。

頭を打たれて前後感覚がはっきりしないが。

――……、誰かに殴られたのだろう。おそらくは。

ああそうだ。
ルパンを追っていて、それから……。

吐く息が荒く浅い。

室内の何処かでは、秒針らしい音がこだましていた。

「危機的状況30のお題 『もう後がない』」
→工藤ひかるさんのサイト「遅咲きの庭

ちょっ…!とんでもなくいいところで次号続くとなっております、素敵に危機な警部のSSをほぼ強奪のように奪ってまいりましたとんだ外道です。
最初からもスタート地点からこの拉致という垂涎の危機、もう分かっておられる、工藤さん分かっておられると一人こぶしを固めてイェアアア!とか叫んじゃうよ!
あまりにあらゆる妄想をかき立てられた結果、うっかりイメージ画というか、漫画っぽいものを描かせていただきました。

→イメージ漫画というか、なんかもう拉致現場


これは期待するなというほうが無理だろうといわんばかりの続きぶりに、期待してますと言ってもいいですか駄目と言っても言っちゃうけど!むしろ言っちゃった!
工藤さん本当にありがとうございましたァ!願わくば、続きをぜひともプリィィィィィズ!!!!笑

●2008/10/29アップ
▲トップへ