二点透視の背景レシピ@哀れな教会編
背景描くにあたって、二点透視ってどうやって描いてるんときかれたりした関係で、ちょっと前回の教会絵使ってキャプチャしてみたといいます。
もとはツイッタに流してたもんなんだけども、もう少し詳しく説明してみたものを追記にあげておきますです。
二点透視くらいになってくると、結構感覚がモノを言うところが大きい気がする。
描いてると多分このへんだろ、みたいなものが見えてくると思うので、まずは数こなしてみるといいと思いまする。
二点透視いいよ、なんか面白い構図を描きたいなら覚えておいて損はない描き方だと思うんだけどね自分がやってるのがはたして正しいかは実に謎です。
参考までにドウゾ。画像が多いので追記にたたんでおきます。
1.こんなん使って描いてます
今回も例のごとくアナログでございまする。
用意するものは、ペン入れた哀れな赤い人がいる絵、でかい定規、青芯シャーペン、青鉛筆、よく消える消しゴム、
雲形定規あたりをずらずらと。
あと楕円テンプレート(1:2:30°あたり)と正円テンプレートとかあると何かと便利です。
特に30°のテンプレは机の上にある小物描くときに多いに役立つ。余力があれば45°とか60°位のやつもあるとたぎる。
そして今回は背景描く前に適当な紙に簡単にラフを書いておきます。
2.ラフってこんな感じ
ラフはこんな感じ。
地獄のような残念なものですが、だいたいこんなん作るよ!が自分にわかればOK。
ラフの段階ですでに俯瞰のパースが入るので、ここは留意しておきます。
パースが入るのは床のライン。手前の祭壇が斜めになってる分右から左に向かって角度がつきます。
教会の祭壇って段差の上にあるんだわ。それも頭においておきます。
段差があるので、人物が床に立つ時よりはるかに上になるってことかな。
ただ、この位置だと段差がある部分が完全に見えなくなる。
ラフ描く際、出来るだけ描きたい原本に近い資料を集めておくといいです。
でも祭壇側からの教会ってなかなか資料ないんだわ。なので体育館みたいな段差のある舞台が設置されてる建物も資料として使ってみるといいと思う。
3.水平線を引っ張る
真っ先に水平線を引っ張ります。
水平線はあれだ、地平線と同意義だと思っていい。
建物や障害物がないまっ平らな台地を作るとしたらここに線を引くであろう!というところにびゃーっとまっすぐに引きます。
この絵で言うと、上のラフと見比べて水平線(地平線)を用意するべき場所はドアを開けた向こう側になります。
ドア開けてその先がいきなり海だったら、を想像してみるとわかりやすいかも。
4.消失点を決める
つぎに消失点を引っ張った水平線の上に求めます。
なにを基準に描くかで消失点の位置は変わってきますが、
ラフを確認したらちょうどいい所にドアがあるのでドアの真ん中に想定することにします。
赤枠のところにドアがくるイメージな。
この時上で書いたように、ドアの向こうに海があるイメージで水平線が来るように考えると消失点の位置も自ずと決まってきます。
ラフ描くときにこのへんはあらかた決めておくと楽です。
5.基準となる縦ライン(垂直線)を決める
次に縦ラインを入れます。
このラインはラフで言うと、建物の入口側の面の一番左端のラインになる。
このラインは垂直になります。基本この絵では縦方向のラインはほぼ垂直で問題ないです。
6.問題発生
さてここで問題が発生する。
消失点がとれたし、水平線も縦ラインも出揃ったので、本来ならこれでも描けるのです。真正面の図なら。
しかしラフ見ると左方向にきゅっと絞れたパースになってる。
そこでもうひとつ、左側の絞りを作るための消失点が必要になってきます。
7.パース用の消失点を作る
紙が足りねぇヨォと半泣きで追加しながら、もうひとつの消失点を探す俺。
追加の消失点は必ず水平線の上にきます。
図だと右からの消失点というやつを作ります。
右から左に向かってのラインは、このはみ出したところに新たにつくった消失点を使います。
この右からの消失点の求め方は、どれだけ角度つけたいかによって変わってきます。
急角度よりなら通常の消失点に接近するしゆるやかな角度にしたいなら離れます。
今回は赤枠の台形のような形を想定しているので、角度は割と緩やか、よって右からの消失点がどえらく遠くなります。
個人的に、垂直の縦ラインに対し、パースのかかる線の角度が15度くらいになるものの延長線と水平線が交わった地点を第2の消失点にすると見栄え的に良さげ。
15度、45度、75度あたりの角度はパース綺麗に見せてくれるのでおすすめです。
この絵では15°で想定しました。
9.建物の骨組みが完成
こんなかんじでそれぞれ線が引かれます。建物の大雑把な形がこれで取れました。
あとはこれと、それぞれの消失点を基準に建物の中身を書き込んでいく作業になります。
左側の消失点がちと遠いので、線引っ張る際はでかい定規を駆使して欲しいところです。
でもこの絵がくそでかい(A3ちかく)なのであんな位置に消失点が来ますが、
A4くらいの大きさの絵ならもう少し近くに点使えるから習字体勢にならなくても大丈夫だと思う。
10.建物詳細を描き込む
書き込んでくとこんな感じになる。
教会って色々とパーツがごちゃごちゃあるのでなかなかどうして面倒です。
祭壇が段差の上にあることを忘れそうになってたので先に描いた。
次は長椅子の群れを書き込まねばならん。
この手の建物は、ベースとなる壁ラインを描いたら手前を先にアタリとって、次に壁側、最後に中間部分を仕上げていくとバランス取りやすいと思います。
ポイント的なものとして、こういった角度のついた絵を描く場合、第2の消失点をどこに設けるかというところだと思う。
この辺は感覚の問題だから、なんぼか数こなしていただけるとわかってくると思います。
あとは、それっぽくなれ!!と念じることだろうか!
いやいや意外とこれが侮れないのです。
なんとしてでも教会になれ、俺は教会と言いはる!と怨念に近い思い込みでゴリゴリやってくと、どうすればそれっぽくなるかのポイントがわかってくる気がしないでもない。