ワイリー様とロックの壮絶関係についての残念な超長文

http://1kangetu.cside.ne.jp/oyajiji/image/wily-rock.jpg

唐突になんか夢見がちなものをおいておくわけです。
本当は不吉漫画の続き5枚目をアップしたかったのだがうっかり藤沢の野郎の前髪に挫折して気がついたらワイリー様描きたいあのハゲをどうにかしたいという駄目な野望に身を焦がしつつなんか残念な結果になっておりました。
前回のあの、全力で駄目なワイリー様語りに反応してくださった方超愛してます。
皆あのハゲに惚れればいいのだ!一緒に魔道に落ちようじゃないかベイベ、と
なんだか地獄の水先案内人っぽく今日も私は駄目に生きてますトホホーイ。
もし不吉漫画の続きまっていた方がおられましたら大変に申し訳ない。
ペン入れまでは片付いてるのでそのうちひそやかにアップします。
というわけで今日も語るぜワイリー様について間違った愛を延々と語る会。
ロクマン知ってる人も知らない人もついてこれないこと必然な駄目妄想大会を追記にぶち込んでます。
本日のテーマは上の夢見がちな絵に表されるような、ロックとワイリー様の関係についてのどうしようもない妄想をすんげー真剣に書き連ねたいと思うわけだよ。かなりただれてているので追記に隔離。
だがしかしあくまでオブサワの妄想なので史実とは違ったりするかも知れんのですが、そもそも公式が何もいってないということなのでせっかくだし好き勝手妄想することにしたよここ二次サイトだしいいよね、ね!と訳のわからん同意を回りに求めて早速顰蹙を買ってみる。

拍手のお返事をこちらに載せておきますー!
ありがとうございますv

>5/25に拍手を下さった方
ウーフーフー!実はこの人のスペックはきっと気に入っていただける!という謎の確信に満ちていた奴です。多分警部好きな方は気に入ると思うのだと!
ワイリー様とロックの関係は本当に警部たちに通じるものがあり、ついでにこれまた本人がなかなかどうしてやることなすことえろいというからたまりません。
もっとこのハゲの魅力を全世界に!とか駄目な方向に全力を傾けていた甲斐があったというものです。
ありがとうございます、ぜひとも白衣を破り隊員として、こう、事あるごとに袖口とかすそとか、思い余ってついでにシャツもビャーッとひっさばいてやりてぇハアハアと人類失格的なことを真剣に考える今日この頃ですわはは。
何よりも自分が攻と定めて久しい青い子ってば、年齢が10歳前後というからおおおおお恐ろしい子!となるわけです笑
年の差40越え!!ヤッターと謎の雄たけびを上げる外道です笑
調子こいてうきうきとただれた妄想をつづっております。
多分9割がた自分の勝手な思い込みなんですが大体こんな関係よ!どこまでも警部とルパンさんの関係に似てる件について!となること間違いなしです。
きっとこういう距離感にこそ我が人生を見出したんだろうなあと実に感慨深い初夏の夜。
コメントありがとうございました!願わくばハゲにもっと興味を持っていただけることを願いつつ!

その他ナイショモードの方々、メッセでかまってくださる方々、拍手鳴らしてくださった方々に感謝でございますー!
なんか多大に吹っ切れたというか、ぶちきれたというかして暴走しておりますのでぜひとも生暖かく遠巻きに見てくださるとうれしいですウフ。

というわけで妄想ゾーンです。
本当妄想だし下手したらタブー的な事例に片足突っ込んでる気がしなくもないので、
「公式命」という方はここから先は激しくお勧めしません。
気分的に自分、あくまでワイリー様は受けです。ロック×ワイリーです。
そういう801的な内容が微塵も書いてないにしても気分はこの関係です。
この段階で拒否感出ちゃった人は先読んじゃ駄目ー!!
あと死にネタっぽいので注意ですすんごい。
OKどんとこいというマイソウルメイツ様のみ、スクロールしてチョーダイですよォ!


















さてワイリー様とロックの関係についていろいろと語りたいわけですが。
基本的な関係として、この二人はまごう事なき「敵対」の位置にあります。
本当にベクトル真逆。
ロックは世界最強の戦闘ロボットとして人類の守護神という形で悪と立ち向かい、
ワイリーはロボットの後ろ盾みたいな立場でロボット軍団を率いて人類に挑戦するといった感じ。
まあ基本的な正義と悪の戦いなんですね。このへんアクションゲームだからまあ当然ちゃ当然なんだけど。
なんだけど、どうにもこのゲームで回が進むにつれて事情が変わってきます。
一番最初の戦いのとき、当然ですがワイリー様は自分の野望に立ちふさがる石ころ的な感じでロックをみていたわけですが、ロックと来たらこの時点で「お手伝いロボといういたってノーマルなロボットから戦闘用に改造された、ロボットを倒したくないけど正義を守るために戦うロボット」という運命を背負っておりました。
ワイリーの出現によってこの子は今までの平和な生活を全て捨てて戦う道を選んじゃったわけです。
そしてなんと、世界を脅かした脅威であるワイリー様に勝っちゃった!
これには悪の天才科学者ワイリー様もたまげた。
チクショウなんてロボット作りやがったんだライトの奴、見てろ次は次こそはあの青いの倒して世界を征服しちゃる、となるわけです。
1のときはライトのロボットを改造して戦いを挑んだわけですが、2になるとワイリー様は自作のロボットたちを使って世界征服を目論んで戦いを挑んできました。
もうこの時点でワイリー様の標的が「対:ロックマン」になってたりする。
ゲームシリーズ2にして、双方で倒すべき目的がオンリー1人という状態です。
ワイリー様はロックマンというロボット一人を倒すためにあらゆる手段で戦いを挑みますし、ロックはワイリー様1人を倒す(逮捕する)ためにあらゆる手段で敵を打ち倒すわけです。
ここまでが主だった二人の関係の大雑把な説明。
すでに主観入ってる気がするが気にしてはならぬ。

で、ここで注目してほしいのが「ロックが戦闘用(ロックマン)になった理由」なんですね。
もうね、この子ね、ワイリー様打倒のためだけにロックマンになったの。
ワイリー様が世界にちょっかい出すから、ロックマンになってこの人はもーいつもいつも!と尻たたきに行くわけです。
つまり、ロックにとってロックマンになる理由というのがワイリー様の存在というこの事実。
彼は、はじめこそヒーローとして悪の権化であるワイリー様の野望をことごとく打ち倒してきました。
ロボットを壊したくない、仲間も壊すのは嫌だと思いつつも結構なんだかうまくやってた。
しかし回が進み、6、7あたりになってくるとどうにもバランスが崩れてくるわけです。
1〜3あたりまではわりとこの子、寡黙にドンスコと戦っていたんですが少しずつ、少しずつなんか行動に違和感が出てくるような感じがあるわけです。
考えてみたらこの子、もともとはただのお手伝いロボット。
そこに無茶な改造でものすげぇ戦闘能力積んじゃっているんですから体や思考プログラムとかそういうところにかなりの負荷が出てるんじゃないかなあ。
8なんて相当不安定だったし、でも世界は正義のヒーローロックマンという存在だけを求めて、やれ戦え、やれ悪のロボットをぶったおせと迫ってくるわけです。
でも、基本的にロックがロックマンでいる理由ってワイリー様なのね。
あの人がいなければ自分自身の存在を認めてもらえないというか、ロックマンである自分だけを求められちゃってもともとの自分である「ロック」は無用の存在なんだ、と思っちゃったりするんじゃないかなあと妄想するわけです。
そうなるとロックにとってワイリー様の存在は自分自身の存在を確立するために超必要。
それに、立場は違えどロボットを大事にしてロボットのために戦うワイリー様のことを、同じロボットであるこの子は憎からず思えなかったんじゃないかと思うのです。
なんだかんだで戦ったりこぜりあったりもしたけど、結構うまくやってた。
その辺の事情はロクフォルのときに、うっかりワイリー様の基地をキングというロボットに乗っ取られちゃった事件があったのですが
そのとき普通にロックたちの研究所にワイリー様たち転がりこんで居候していたところから圧して知るべしと言うわけです。
お前らなじみすぎだろうと。

だから、ここで仮説を立ててみた。
なにげにワイリー様んちとライトさんち、戦い以外のときでは結構普通にご近所付き合いとかしてたんじゃね?と。
ロールちゃん(ロックの妹的存在。お手伝いロボットです)が作りすぎたシチューの残りをロックがお宅訪問的にワイリー様んちにもってって
「ワイリー博士、たまにはお湯で作れるもの以外も食べなきゃ駄目だよーあ、お鍋は玄関先においといて。後で取りに来るから」
とかいってるそういう日常。
で、うるさいわい余計な事しおって!とか毒づきながらも超普通にシチュー食べて。鍋きれいに洗って、ついでに鍋の中にロボット用の液体燃料パック(りんご味)とか何個か入れておくんだ。
年末とかになると一応挨拶とかしにワイリー様、秘蔵の息子であるフォルテつれてライト宅に挨拶に来るの。
「今年もお世話になりました。来年こそは世界征服するんでよろしくお願いします」
とかそういう感じで。
で、ついでにライトんちでみんなで年越しそば食べて、ロックとワイリー様の間でウノによる年越し!年末最終決戦を行っているわけです。コタツで。
そのうち酒が入って完全に酔いが回ったワイリー様とこれまた酔いが回ったライト博士との間でロボットの未来について熱き激闘が繰り広げられるんだ。
そして力尽きたところでみんなでコタツで雑魚寝、そんで正月1日突入、あけおめ、ついでに御節(ロックとロール作)まで存分に食べてワイリー基地に帰る。

こんな日常があっても私は驚かないるむしろ推奨する。
ロックはワイリーのやっていることは許せないだろうけどワイリーその人については結構嫌いではなかったと思うんだ。
アドベンチャーとかやってるとどうしてもそう見えるんだ。
だからロックvsワイリー様の戦いは、ある意味「暗黙のルール」にのっとって行われていた気がする。

でも、7あたりから事情が少しずつ変わってきます。
なんかね、ロックにワイリー様に対する殺意が現れるようになってきたわけですね。
この辺をいろいろ考えてみたんです。
そもそもロックの使命はワイリー様の逮捕というよりはワイリー討伐でなかったかと。
つまり、政府というか全人類の総意はロックによるワイリー様抹殺じゃなかったか。
そりゃもーコレだけ町ン中ぶっ壊して世界征服じゃーとやっているテロリストをたとえ逮捕できたとしてもその末路は間違いなく死刑台、だったらあの青いのに殺させたほうがいいんでねとなるわけです。もっともです。
で、7のときにうっかりロック、丸腰で座り込んじゃってるワイリー様にバスター向けちゃうわけです。
死ねワイリーとかいっちゃってるし!萌える!(外道)
ここで思ったのね、このときのロックはワイリー殺害をインプットされていたんじゃないかと。
悲しいかな彼は人間に近い思考能力を持っていたとしてもロボットである身、プログラムの入れ替えという人間ではありえない方法でいくらでも行動を制限できたりするわけです。
でも、この子は撃たなかった。撃てなかった。
多分プログラムされた「殺害指令」と元来持っていたワイリー様に対する思いみたいなものがかち合って行動がストップしたんじゃないかと妄想する。
その後ワイリー様は逃げちゃったから事なきを得たんだけどもしあの時殺害指令が本来の感情プログラムよりも少しでも上回っていたら、ワイリー様絶対脳天撃ち抜かれていたんだろうなと。
そもそもロックはなんで、今までにない「問答無用でぶっ殺す」という行動に出るようなことになったのか。

ここでまた仮設を立てる。
ロックはロックマンとなって今まで何度もワイリー様の野望を打ち砕いてきました。
が、ワイリー様討伐には至らない。結果ワイリー様は逃げ再び力を蓄えて世界に挑戦してくるわけですね。
おかしい。コレはおかしいんじゃないか。
政府機関などは思ったでしょう。
もしかしてロックマンとワイリーは裏で繋がっていて、結果ワイリーは最終的に逃亡に成功するのではないか。
つまり、ロックとワイリーは同じ穴の狢ではないか、と。
そこでライト研究所にがさ入れが入るわけです。
お前らワイリーと裏でつながってるだろ!だからワイリーを捕まえることが出来ないんだ、みたいに。
そんな事実は当然ないのですが、しかしロックは自分の中でワイリー様を殺したくはないという思いがあることを否定できませんでした。
何度も戦ったりしたけど、たまに共同戦線張ったりしたり、レースやサッカーでも健全に戦ってみたりしてなんだか親睦深めたりと、結構うまくやってこれたわけです。
だからできるならこの人を殺したくない。
道は違えどロボットに対する深い愛を知っているからこそ、ロックはワイリー様を憎みきれなかったと思うのです。
そしてなによりも自分の存在理由がワイリー様の存在に随分ウエイトとられていることも否定できませんでした。
気がつけばいつの間にか自分とワイリー様は表裏一体のような状態だったわけです。
いないと困る。いてくれないと困る。
そんな、切実な執着心みたいなものをひそやかに持っていてくれたらいいと思う。
ですが政府はそんなことは許しちゃくれません。
ロボットは人間の命令に従ってさっさとあの奸物をぶっ殺してこいと命令し、結果的にロボット三原則の1つである「にんげんを守れ、傷つけるな」に「例外:ワイリー」と書き加えたわけです。
これでロックは名実共にワイリー様を殺せる立場となりました。
そして、ロックに課せられた使命が、ワイリー逮捕からワイリー殺害になったわけです。
もともと無茶な改造がたたって不安定だったロックの感情プログラムはコレによってさらに不安定となります。
戦いたくない、でも戦わなきゃ
壊したくない、でも壊さなきゃ
かわいそうなことに、この子は嫌だ嫌だと思ってもロボットゆえの制御力によって嫌だと思ったことを実行できてしまう立場にあります。
ロボット壊したくないよう!と思ったときにはすでにバスター撃ってるそういう感じ。
だから7のラストであの子は本当にがんばったと思うのです。
ワイリー殺せ殺せというプログラムに対し、駄目だ殺しちゃだめだという思いがものすごい勢いでコンクリフトしたと思う。
かろうじてこのときは自分の感情が勝って事なきを得たわけですが、また次にワイリー様と一戦交えたときは本当に殺してしまうんじゃないかとも自分自身に密かに恐怖するといい。
そして同時に、自分の感情をコンクリフトさせてまでもワイリーという人間を殺したくない理由についてそれが何なのか思い悩めばいいわけです。
ワイリー様も7で初めてロックにバスター向けられて、当時は驚きこそしたものの、後になって自分と彼の立場が殺す殺されるな存在だったことを思い出し、当たり前だよなと自嘲すればいい。
そもそもはじめから我々は戦って何ぼの存在だった。
なんとなく馴れ合い続けたこの時間こそが異常だっただけで何のことはない、元の関係に戻っただけだ。
でもそのことがなぜか妙に切ないと感じてくれればいいわけです。
人間のために体も心も改造されて葛藤する羽目になった「英雄」に、哀れみに似た感情を持ってしまったのかもしれない。
双方でふと考えるわけです。
我々は結局は似たもの同士だったと。
ロックは人間のために戦うロボット
ワイリー様はロボットの安住の地を確立するために戦う人間
背中合わせで同じ線の上に立ち、一番近い所にいるのに手を取ることすら出来ない存在であると。
表裏一体だからもはや片方を引き離すことも出来ない。
いつしか二人の間に確立された運命は、二人をその場から逃げることも歩み寄ることも出来ない残酷なものになっておりました。
そしてワイリー様もロックも分かっていました。
いつか必ず、自らの手でこの運命を終わりにするときがくることを。
そしてそのときは、確実に二人のすぐそばまで迫っていました。

ある日、ライト研究所に警官隊が突入し、ライト博士が拘束されます。
なぜどうしてという反論は一切受け入れられず、政府組織の手で軟禁されるライト。
ロックもロールも面会すら出来ません。
どうしてこんなことになったのか。
というのは、表立ってはワイリーというテロリストに加担している可能性のあるライトを一時的に拘束した、というものでしたが実際はいよいよ痺れを切らした政府がロックに確実なワイリー討伐を命じるためにライトという生みの親を人質に取ったというものでした。
卑劣な手段に唇を噛むロックでしたが、そもそもお前がワイリーに情を持って殺さないからいかんのだと痛いところを付かれ、何もいえなくなってしまうといい。
ラストチャンスだ。政府から派遣された使者は言いました。
そもそもライトが作った人間と同じような感情をもつロボットがいるから、ワイリーのようなロボット犯罪者を助長させるのだ。
ロボットは我々人類のに仇なす存在になりかねない。
つまりはライトもワイリー同様に犯罪者なのだ。
だがしかし今までの彼の功績を考慮してやってもいい。
そのためにはロックマン、お前がワイリーを確実に殺すことだ。
そうすれば軟禁生活ではあるが彼の命は保証しよう。
そんな一方的な宣告にロックは愕然とします。
ああ、ロボットは人間にとってどこまでもただの道具でしかないんだ。
心があっても、人間と同じようにうれしい、悲しい、怒り、そういった感情があっても人間と共に並んで歩くことは出来ないのだ。
そう思い知ってしまった。
もともと政府の意向として、ライトのような恐るべき頭脳と技術を持ったロボット工学者を野放しにしておけばいつ何時ワイリーのようなことをするかもしれない。
そんなことを恐れ、ライトをいつかは抹殺またはそれに近いことをしておくべきと結論つけていたというのもあります。
それならちょうどいいやと今回の軟禁事件。
ロックに選択の余地はありませんでした。
そして彼は思いました。
ワイリーのことを。
ロボットを第一に愛し、ロボットのために戦い続けたあの男のことを。
できれば同じ道を歩きたかった、と。

戦いの前夜、ライト不在の研究所を出て、一人薄暗い夜道を当てもなく歩くロック。
明日になれば、自分の右手をバスターに変え、ワイリーの送り出したロボットたちを、そしてワイリーその人を倒さねばなりません。
そうでないと自分の生みの親であり父であるライトの命がない。
これは正しいこと
これは正しいことなんだ
自分に何度も言い聞かせて気持ちを落ち着けようとしたのですが、どうしても心の中に渦巻く黒いものが晴れることはありませんでした。
彼は思いました。
もし僕が「ロックマン」になろうだなんて思わなければ、こんなことにはならなかったのではないか。
あの時身の程知らずにも自分の体を戦闘用にしてくれとライトに頼んだりしなければ、
自分が世界最強の戦闘マシーンでなければ、
こんなことにはならなかったのではないか。
いままで何のために戦ってきたのか、その根本的なものが彼の中で揺らぎ始めていました。
それは考えてはならない、考えるはずのない事柄でした。
自分の感情プログラムの中で、確実に何かが変質している。
ロックはその事実を恐れました。
高性能ロボットであるロックには学習機能があり、外部からの刺激で様々な感情や行動をインプットしているのです。
その機能が確実におかしな方向へゆがみだしている。
それはまるで、人間が「悩む」ということに最もよく似ていました。
ふと、ロックは足を止めました。
驚愕のまなざしで前方にたたずむ人物を見つめます。
ワイリー様その人でした。
暗い夜道の真ん中に、いつものように白衣と赤いネクタイをたなびかしてその場に立っていました。
どうしてここに、と言葉を搾り出す前に、ワイリー様のほうから歩かないかと声をかけられました。
ロックはただただ頷き、なんとなく二人並んで夜道を歩いていきます。
そこで二人はたわいもない話をしました。
正月のときに負けたウノについて、いつまでも根に持って嫌がるフォルテ相手に散々ウノ練習しまくったとか
差し入れにもらったシチューについて、オクラいれるのはどうかと思うという苦情とか
ライト宅へ居候していたときにみんなで写真撮ったり、写真嫌がって逃走したフォルテに研究所の壁ぶち抜かれて大騒ぎになったとか
そんなたわいのない話でした。
夜空には星が瞬き、あたりは虫の声しかしない夏の夜でした。
しばらく歩いた先に、道は二つに分かれていました。
ワイリー様は立ち止まりました。
ロックもつられて立ち止まります。
しばらくの沈黙が続き、先に口を開いたのはワイリー様でした。
一言「迷うな」と告げました。
ロックは目を見開きます。
ワイリー様も当然今回の件でライトが拘束されたこと、ロックに自分の確実な抹殺命令が出されていることを知っています。
だからこそ、この場にたった一人でやってきた。
おそらくこれが、二人にとって最後の「馴れ合い」になることをよくよく知っていたからこそ。
ロックはうつむいたまま顔を上げることができなくなりました。
握り締めたこぶしがガタガタと震えているのが分かります。
ワイリー様はため息をつき、ぽんとロックの肩を叩きました。
顔を上げたロックの前に一枚の写真を突き出します。
それは居候時代にみんなで撮った写真の一枚。
ワイリー様とロックが大笑いしながら肩組んでいる写真でした。
自分たちの間にはもこんな瞬間が確実にあったのだ。
そのときがあまりにも懐かしく、あまりにも遠くに感じるロック。
ワイリー様は写真と同じような笑顔を見せながら言いました。
たまには笑えと。
お前はいつだって泣き出しそうな顔をしておる。
辛気臭いからもっと笑え。
その無防備な笑顔を見せられ、ロックもつられてぎこちなく笑いました。
そして二人は道の分岐点に立ちました。
ワイリー様は右へ。
ロックは左へ。
自然と二人の行き先は別れていきました。
二人とも振り返ることはしませんでした。
次に会うときは、どちらかが死ぬときだ。
そう、痛いほど思い知りながら。

ワイリー様はひとつのカプセルの前に立っていました。
中には起動を控えた、赤いボディのロボットが1体。
自分の全力を注いで作成した、彼にとって最後の作品でした。
お前には辛い運命を課したかもしれない。
ワイリー様は心の中で眠る最後の息子に詫びました。
だが自分は行かねばならないのだ。運命に決着をつけるために。
そっとボタンを押すと、カプセルはクレーンで持ち上げられ、地中深くまでにあけられた穴の奥へゆっくりと降りていきました。
そして幾重にもシールドが封鎖され、最後にワイリー様の足元にあいていた穴が閉じられます。
あとには何事もなかったような静寂だけが残りました。
これでいい。自分のやるべきことは終わった。
ワイリー様は妙にすがすがしい気分でカプセルが埋没している地点を見つめました。
そして視線をついと上に向けます。
高い天井の上には明り取りの窓があり、そこからは欠けた月が暗闇にたった一つだけぽっかりと浮いていました。
それを眺めつつワイリー様の口から独り言が漏れました。
できれば同じ道を歩きたかったな、と。

燃え盛る基地内部。
あたりには黒こげたロボットの残骸が散乱し、巨大な機械からはとめどなく火花が散り続けています。
焼けるような熱と、オイルの臭いに充満した基地の最上階の広間で、ロックは呆然と宙を眺めていました。
砕け散った天井はすでに骨組みのみを残し、その間から場違いのように美しい星空が広がっています。
いままでの壮絶な戦いで彼の左腕は半分もがれて基盤や配線が露出し、全身を細かい傷で赤く染めていました。
でも、足元に作られた水溜りに今なおも滴り落ちる赤いものは自分のものではありませんでした。
胸に抱いた、いまだに暖かい体。
でもその目は開くことは永久にありません。
ロックが懇親の力をこめて撃ちはなったバスターは、彼の細い体を、心臓を寸分たがわず貫きました。
あっけなく勝負がつき、ロックは今何が行われたのかをよく理解しないまま、床に倒れ付すワイリー様のそばに近づきました。
抱き起こすとその軽さに驚きました。
その体の温かさに驚きました。
そして、まるで眠っているような彼のきれいな顔に驚きました。

「ワイリー」

声をかけてみます。
なんか、あまりにきれい過ぎて死んでるなんて信じられなかったのです。

「ワイリー」

もう一度声をかけます。
無駄だと分かっているのに声をかけずにはいられなかったから。
とたんに、ものすごい喪失感がロックを襲いました。
まるで自分の半分がなくなってしまったかのようでした。
そして、どうして自分を置いていったのか、と思いました。
自分で撃ったくせにひどいよなと思いつつ。
ふと、ワイリー様の手に何かが握られていることに気がつきました。
視線を移すと同時に「何か」が手から零れ落ち、床に舞いました。
写真でした。
昨日星空で話をしたときに見せた、あの二人で笑いあってる写真。

-迷うな

ワイリー様の言葉が、ロックのCPUの中で再生されました。

-たまには笑え

その言葉の主は、もういない。
その事実を長い時間をかけてやっと理解したと同時に、ロックの目から光が消えました。
内部に、また受けた外傷による膨大な負荷の影響で一時的なフリーズ状態になったのです。
ワイリーの遺体を抱いたまま、ロックは政府が派遣した特殊部隊が基地に突入するまでその場にたたずんでいました。
固まったその表情は、なぜか笑っているように見えました。

その後、ロックは戦闘機能をはずされお手伝いロボットに戻りました。
ライトは無事に戻っては来たのですが、政府の厳しい監視下に置かれ自由な行動がままならない状態でした。
限られた自由の中、ライトは常に研究室に篭りがちになります。
一心不乱に何かを作っているかのようでした。
ロックとロールはそんな無茶振りを心配するものの、ライトの気迫に圧されて口を出すことが出来ずにいました。
ロックもあの事件以来、すっかり口数が減り考え事をしているかのようなそぶりで窓の外を眺めている時間が増えました。
ロールはロックの明らかな変化に体を気遣いますが、ロックは自分は平気だ、ただ「待っている」だけだと答えます。
ロックは確かに待っていました。
来るであろう、「あの男」の訪問を。

そしてその日は、意外にもあっさりと訪れます。
光とともに現れた、UFOのような乗り物。
その中から悠然と出てきたのは、ワイリー様その人でした。
ワイリー様は不敵な笑みと共にロックの前に立ちました。
ロックは言いました。
待っていたよ、さあ、僕を連れてって、と。
ロックは知っていました。
いつか、タイムマシーンをつかって未来に来た過去のワイリー様に自分が連れ去られることを。
そして、過去で改造を受け、「クイント」というロボットとして過去の自分と戦うことになることを。
そして、過去の自分は未来の自分を倒しました。
ロックは知っていました。
自分には未来がないことを。
タイムマシーンに乗せられるときに、ロックはふとポケットの中に入っていたものを取り出します。
それでも自分は迷わないよ。
あんたがそう、言ったんじゃないか。
くしゃくしゃになったその写真には、あの時笑いあった二人の笑顔。
あんたは僕に殺され、そして僕はあんたのせいで過去の自分に殺される。
どこまでも表裏一体なんだ、僕らは。
だから本当は。
本当は一緒の道を歩きたかったんだ、あんたと二人で。
まばゆい光にタイムマシーンが吸い込まれ、後には静寂が残りました。
この瞬間、時代から「ロックマン」という名が永久に失われました。
ただ、その場に1枚の写真が残されました。
それだけが、かつて悪の天才科学者とそこにたった一人立ち向かった青い英雄の存在を示す最後のものでした。

それから10数年後、ライトは一体のロボットを完成させました。
青いボディのそのロボットは、どこかロックの面影を持っていました。
そして、彼をカプセルの中に収めると、研究所の地下深くに厳重に埋没させました。
ライトは思いました。
これで本当に良かったかは分からない。だが自分にはやるしかなかった。
青いロボットには、かつてロックの中で偶然生まれた「悩む」というプロセスを基盤とした、
悩んだ末に結論を出すという人間らしい思考により近い考え方を出来る、画期的なシステムが組み込まれていました。
ですがそれは同時に、人類に対して大きな危険をはらむものでもありました。
もしこのロボットが間違った答えを選択したら?
人類に対し、もしロボットが敵対する考えを「答え」として導き出してしまったら?
だからライトは、30年以上の安定するための時間をこのロボットに与えたのです。
封印が切れるのは、30年以上先のこと。
そのころ人類がロボットに対してどんな結論を出しているのか。
願わくば双方にとって明るい未来でありますように。
ライトは心の中で念じつつ、レコーダーの電源を入れました。
そして、ゆっくりとマイクに向かって言葉をつむぎました。

-私の名は、トーマス・ライト。「ロックマンエックス」の製作者である-


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途中からえれえ模造ネタぶち込みましたが、なんというかとにかくロックとワイリー様の関係はどうにもどうして萌えるわけですたまんねえわけですウヒョウ!
基本的に両方で相手を倒さねばならない運命しょっているのでほのぼのな外観ではありますが裏では結構悲惨な事態になっていたりする。
途中で出てきた未来のロックが過去のワイリー様に連れ去られて改造され、過去の自分と戦わされるっていのは公式なんだよこれ(ワールド2)。
もうすっごい殺伐でドシリアスな世界観だと思っていたら意外や意外、なんか公式でロクマン初代はほのぼのな世界観だって言ってるからちょっとたまげたわけです。
ほ、ほのぼのの要素がみあたらねえええええ!!!と頭抱えるワールド信者。ワールド(ゲームボーイ版)は本気で殺伐しているので大変にお勧めです。
なんというか、10年単位の自分の妄想を一挙に吐き出せて自分は幸せですハアハア。
ロックとワイリー様のこの微妙な共存関係が、じつに、じつにえろすとか思ってごめんなさい屑です超屑です、だがしかし!も、萌え!!
でね、また話すと長くなるんで次回ということにしたいのですが、
このさーワイリー様がさーまたある意味モテるわけです。
主に殺伐方面でほんと大人気なのですよこの人。
ワイリー様必要とする連中が少なく見積もっても3名ほどおります。
またどれもが殺伐とした理由でこのハゲ欲しているのが実にたまりません。モテモテです。
その気持ち分かるわーこんないい男ほっとくわけねーよなあモォ!とただれ捲くっております笑

そんなわけで出来れば明日とかあたりに漫画5枚目アップして、次はワイリー様総受けの話について今度はピンクのバナーつきの話題を執り行う予定。
あ、多分絵付だと赤バナーもつくなこりゃ(不吉)

とりあえずワイリー様はいい男だとこぶし固めて叫びたいわけです。
みんなはまればいいと思うよ!むしろはまってくださいお願いします。

2009/05/27(Wed) 00:47:04 | ロックマン系
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オブサワ
二次三次問わずオヤジジジィ大好物な困った人です。更に流血と被虐、縛りに萌える駄目な人です。実に注意。
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