ツバメ攻防戦戦記
※図…戦いの場となるベランダの略図
6月、我々人類と彼らツバメたちに鳥類による、お互いの威厳と尊厳、そして存在意義をかけた戦いが始まる。
BGM:ヒバリーヒルズ・コップのテーマ
(なに無駄にタイトルとか略図とか真剣に作ってるんだとセルフツッコミ)
●登場人物(鳥物)紹介
◆ツバメ軍(目的:ベランダの照明上に栄巣を行い、子孫繁栄を目論む)
・ツバメA(オス・出身地:不明)
主に照明Aのフード上を狙う、切込み隊長的存在。
人間をまったく恐れず、接近30センチ地点ですら動じず悠然と栄巣作業を行う。
光るものは苦手らしい。
しょっちゅうメスの尻を追っかけまわしているが常に振られている。
・ツバメB/C(オス/メス つがいか? 出身地:不明)
気の弱いおしどり夫婦風な二人。
照明Bのむき出しのワイヤー上に栄巣を目論む。そんなところに巣が作れるのかは不明。
人間が接近するとものすごい勢いでナラの木に逃げ込む。
しかししつこく照明Bを狙い、ナラの木と照明の間を何往復もする。
・ツバメD(オス・出身地:近所の八重桜)
獰猛且つ凶悪な策士。
近所に生まれ育った八重桜があるが、陣地を他のツバメに奪われたためすぐ横の我がベランダに栄巣を目論む。
主に照明Cを狙う。ツバメ攻防班班長にフン爆弾を投下した張本人。
人間をまったく恐れず時に威嚇音を発して突進する残忍な性格。
しかしメスには一向にもてない。
◆ツバメ栄巣防衛班(目的:ツバメによる栄巣を未然に防ぎ、フン害を食い止める)
・班長(父親)
毎年この時期になるとツバメの被害に頭を抱える。
様々なツバメ防衛品を開発して彼らに徹底抗戦を行う。
今年は先手を打たれてフン爆弾を被災するという憂き目に合い、例年に比べて対ツバメ作戦に余念がない。
・部下(オブサワ)
たまたまベランダに面した部屋が常在地だったため、気がついたら任命されていた。
朝っぱらから全力で鳴きまくるツバメたちの声に常に睡眠不足という状態。
主に実行班としてツバメ対策を行う。そしてツバメから攻撃を食らう。
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●第一回戦「VSツバメA キラキラ星大作戦」
状況が発覚したとき、すでにツバメAによる照明Aの侵攻は相当なところまで進んでいたと思われる。
栄巣が完成まじかとなり、このままでは卵を生まれてしまう、卵が生まれてしまったら巣をこわすのは良心が痛み、そして照明下の物干し台がフン爆弾の総攻撃に合い壊滅的被害が容易に想像できるので、この巣を完成させるわけには行かないという緊急的な状況であった。
そこでオブサワ、脚立を引っ張り出してへっぴり腰状態のままよじ登り、モップの柄で巣を破壊、撤去する。
ツバメAにその現場を目撃され、ツバメAにとってオブサワは「仇」認定されたと思われる。
ギチギチ威嚇音を発しながらオブサワの頭上すれすれを飛ぶという特攻攻撃に出るツバメA。
班長考案による、ぶっこわれたCDRなどをひたすら物干し台につるしてキラキラによりツバメを威嚇する「キラキラ星大作戦」が発動する。
CDRに紐を取り付け、物干し台の端から端まで満遍なくつるす。
太陽光を反射して気持ち悪いほどにキラッキラ光るCDRにツバメAも恐れをなしたのか、しばらく近づこうとせずナラの木上で歯噛みをする姿が目撃される。
しかし、遠目から我がベランダを確認したところ、キラキラ光りすぎて怪しい宗教団体のような風貌になってしまった事実に、泣く泣くこの作戦は志中途で終了することになる。
●第二回戦「VSツバメBC へびの頭大作戦」
照明フードの付いていない、むき出しのワイヤー上に栄巣を目論むツバメB・Cは、人間に対し恐怖を覚えるのか近づけば逃げるのだがとにかく懲りず、しつこい性質を持つ。
前回のキラキラ作戦にもひるまずワイヤー上に滞在し下に深刻な被害を与えていたため、班長考案による新たな作戦指示がオブサワに下された。
数年前温泉の出かけた帰りに土産と称してオブサワが買ってきた、一族に大不評で長いことはこの中に封印されていた、本物のへびの頭を剥製にして作成されたキーホルダーを取り出し、そのへびの頭部分をワイヤー先に取り付けるというもの。
サイクリングマシン上に立ち(サイクリングマシンの上でさらに爪先立ちにならないと届かない高さのため、うっかりバランスを崩して落下したらそれこそ地獄直行)不気味なへびの頭をワイヤー先に取り付ける作業を半泣きで行う。
鳥類にとってへびは天敵、効果も絶大と期待も高かったのだが、ツバメB・Cにとっては首だけで動かない物体など何の意味もなかったらしく、ついにはへびの頭を母体にして栄巣をはじめるという、本末転倒な結果に終わる。
あわててへびを撤去し、この回は完全に人類の敗北で幕を閉じた。
●第三回戦「VSツバメD 布団たたき大作戦」
獰猛なツバメDは人間をまったく恐れず、時には率先して攻撃を仕掛けてくる大変危険な相手である。
そこでツバメ栄巣防衛班も強硬手段に出ることになった。
ベランダに布団を干す際、布団たたきで布団をバンバン連打しつつツバメの飛来に対し威嚇を行うという方法である。
布団も干せてツバメも撃退できる画期的且つ合理的な方法として注目を浴びたが、しかし誰が一日中ベランダに出て布団をたたき続けるのかという現実的な問題の前に頓挫する。
ちなみに布団をたたいている最中はツバメDもなりを潜め、ただただナラの木の周りをぐるぐる回るだけだったが、布団たたきが終了し、人間が奥へ引っ込むととたんにきびすを返して照明Cの上にもぐりこみ、ジキキキと威嚇音を発するいたちごっことなった。
至急な対策が求められることになる。
●ツバメ軍の攻撃が激化する。
●この時点で、まだぶら下がっていた数枚のCDRは無害であるとツバメに認識され、効力が無効となる。
●第四回戦「VSツバメ全軍 照明フード防壁大作戦」
班長考案による、新聞紙を何十にも照明フードに巻きつけ、栄巣を阻止する作戦が提案、実行される。
脚立の上にぶるぶるしながら立ち、新聞紙をフードが完全に見えなくなるよう多いかぶせてビニールテープ等で固定する。
外観はもはや最悪だがそんな悠長なことは言っていられないほどに状況は切迫している。
ツバメ軍はこの防壁出現により一時撤退を余儀なくされ、数日は久しぶりの平安な時間を得ることができた。
しかし、台風接近による強風により新聞紙がすべてぶっ飛び、作戦は中途で強制終了となった。
●最終決戦「VSツバメ全軍 照明フード網張り作戦」
最後の手段とばかりに班長が用意したのは、農作物ガード用の網。
これをフード周りに仕込んでツバメを寄せ付けないようにするという、面倒だが確実な作戦である。
再び脚立の上でぶるぶるしながら網を設置しようとするも、異変に気がついたツバメAとDによる、頭上スレスレ通過攻撃に何度も脚立落下の危機に追い込まれる。
仕方ないのでツバメが去るまでベランダ壁にへばりつくように待機し、ツバメが去ったら網を取り付けるという地味な行動を繰り返す。
網設置完了。これでツバメ軍はフードに一切近づけなくなったものの、それでも連中はサイクリングマシンの上に飛来して網の隙間を狙って栄巣を執り行おうと目論む。
しかし新聞紙と違って頑丈に固定されていた網の鉄壁なまでの防御力はすさまじく、現在もツバメ軍と攻防班のにらみ合いが続いている。
今後も戦況に動きがあったらその都度お伝えしていこうと思う。
以上、現場からの中継でした。
ツバメ攻防戦 〜完〜
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今日の原稿のきれっぱし。ほっとくとアオリ構図ばっかり描いてる気がする。
好きキャラはできるだけ格好良く描きたい描きたい書かせてくださいお願いしますわあああんと取り乱す変な癖があるオブサワですが、書いては消し書いては消しで全然原稿が進まないデススパイラルに陥っております。ヒーィ。
なんというか、好き過ぎると逆に描けないってことないですか、アタシはそれでいつも胃が喉から出るほど悶える何この一人SM。
もうしばらくオフにもぐっているのでしばらく生暖かく見守っていただけるとありがたいですウッフー。
2008/06/08(Sun) 18:43:29 | 叫び